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2017年6月

ジョーンズ・デイ・アラート:米国連邦最高裁、特許裁判地の射程について判断

TC Heartland LLC v. Kraft Foods Group Brands LLC事件において、米国連邦最高裁は、特許裁判地に関する法律の規定について、内国法人が「居住する」場所を決定しました。最高裁は、合衆国法典第28編第1400条(b)における「居住する」という文言の意味を狭く解し、内国法人は、その設立州においてのみ「居住する」と判示しました。この判示にあたり、最高裁は、約30年前のVE Holdings v. Johnson Gas Appliance事件において連邦巡回区控訴裁判所が示した先例を覆しました。同事件において、連邦巡回区控訴裁判所は、第1400条(b)は、特許保有者が法人を当該法人が人的管轄権に服するいずれの地区においても提訴することを許容すると解釈していました。

当該特許裁判地に関する規定は、「特許侵害の民事訴訟は、被告が居住する裁判地区、又は、被告が侵害行為を行い、かつ日常的で確立された事業所を有する裁判地区において提起することができる」と規定しています。60年前、米国連邦最高裁は、Fourco Glass v. Transmirra Products事件において、一般裁判地規定である合衆国法典第28編第1391条(c)が「居住地」を「[法人]が設立され・・・又は事業を行う一切の裁判地区」と定義しているにもかかわらず、内国法人は設立地においてのみ「居住する」と判示しました。

1988年、連邦議会は、第1391条(c)を改正し、「本章における裁判地について、法人である被告は、人的管轄権に服するいずれの地区においても居住するものとみなされる」と定めました。VE Holdings事件において、連邦巡回区控訴裁判所は、当該一般裁判地規定の改正により、Fourco事件判決は無効となったと論じ、特許裁判地規定における「居住する」という用語を再定義しました。

2011年、連邦議会は、第1391条を改正し、「法律に別段の定めがない限り」、「本条は、合衆国の地方裁判所に提起される全ての民事訴訟の裁判地を規律する」と定めました。第1391条(c)(2)は、「全ての裁判地について」、被告は、「当該被告が当該民事訴訟に関して裁判所の人的管轄権に服するいずれの裁判地区・・・においても居住するものとみなされる」と規定しています。連邦巡回区控訴裁判所は、TC Heartland事件において、これらの改正はVE Holdings事件判決に消長を来すものではないと結論付けました。

連邦最高裁は、これを破棄し、そもそもVE Holdings事件判決は誤りであると判示しました。最高裁は、1988年改正は第1400条の特許裁判地規定に影響を与えるものではなかったと説明しました。最高裁は、さらに、2011年改正は、Fourco事件判決における特許裁判地の解釈を補強すると論じました。 TC Heartland事件判決の長期的影響は、当面、明らかにならないかもしれません。その間、連邦議会が将来の特許法改正の一分野として特許裁判地を再び取り上げる可能性もあります。

オリジナル(英語)版は、Jones Day Alert:U.S. Supreme Court Addresses Scope of Patent Venueをご参照ください。

タイトル掲載雑誌発行日
ジョーンズ・デイ・アラート:米国連邦最高裁、特許裁判地の射程について判断ジョーンズ・デイ・アラート2017年6月

担当弁護士

パートナー :浅地 正吾 高橋 美智留

アソシエイト :伊藤 晴國