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2017年3月

ジョーンズ・デイ・コメンタリー:米国において未使用・未登録の海外商標に関する商標権者のランハム法上の原告適格

米国において未使用・未登録の海外商標に関する商標権者が、ランハム法上原告適格を有するか、という問題について、2017年2月27日、連邦最高裁判所は、原告適格を肯定した第4巡回区控訴裁判所の判決(Belmora LLC v. Bayer Consumer Care AG)について、この判決に対する裁量上訴を不受理としました。

本訴訟では、原告(Bayer)が、商標FLANAXにつき米国内で登録又は使用せず、メキシコでのみ鎮痛剤について使用し、米国では別の商標を使用していたところ、被告(Belmora)が、当該商標を米国において鎮痛剤に使用し、かつ商標登録したことから、当該登録の取消を米国特許商標庁審判部に求めたものです。第4巡回区控訴裁判所は、ランハム法上明文で要求されていない米国内での当該商標の使用が当事者適格の要件となるものではなく、Lexmark事件の連邦最高裁判決で示された「原告の利益が、制定法が意図した利益の領域内かどうか」及び「被告の行為と原告の損害との近因性」という2段階テストを満たせば、当該商標の米国内での使用・登録に対してランハム法14条(3)及び43条(a)の不正競争行為を訴える原告適格が認められると判断し、Bayerの原告適格を認めました。今般連邦最高裁判所がBelmoraの裁量上訴を不受理としたことから、この第4巡回区控訴裁判所の判断が維持されることになりました。

第4巡回区以外の巡回区控訴裁判所が今後同様の判断をするかはまだ明らかではありませんが、本件は、日本企業が、米国において商標を登録、使用をしていない場合であっても、米国における不正使用や冒認商標に対して米国の商標法上の保護を求められる可能性を肯定する意味で重要な影響があることから紹介します。詳細は、Jones Day Commentary "Standing to Enforce Foreign Trademark Rights After Belmora v. Bayer Certiorari Denial"(オリジナル(英語)版)をご覧ください。

タイトル掲載雑誌発行日
ジョーンズ・デイ・コメンタリー:米国において未使用・未登録の海外商標に関する商標権者のランハム法上の原告適格ジョーンズ・デイ・コメンタリー2017年3月

担当弁護士

パートナー :高橋 美智留

アソシエイト :小菅 直人