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2017年12月

ジョーンズ・デイ・コメンタリー:フランス当局によるイニシャル・コイン・オファリングに関するパブリック・コンサルテーション手続の開始

フランス金融市場庁(以下「AMF」)は、①イニシャル・コイン・オファリング(以下「ICO」)が既存の規制枠組みに服するか否かの評価、②潜在的リスクについての注意喚起、及び③将来的な規制の検討等を行うことを目的として、パブリック・コンサルテーション手続を開始しました。

AMFは、ICOにつき、トークンの発行を伴う分散型台帳技術(DLT)を通じて実現される資金調達取引と定義しています。AMFは、コンサルテーション・ペーパーにおいて、ICO又はトークンにフランス法上の適格性を与えたわけではなく、フランスの既存の規制枠組みの範囲に含まれるか否かを分析しています。そして、その帰結は、発行されるトークンの性質(特に、トークンが金融商品に該当すると判断される可能性)に依存することになります。

コンサルテーション・ペーパーにおいて、トークンは、資本性証券、債券、UCITS(譲渡可能有価証券への集団投資事業)又はFIA(金融オルタナティブ・ファンド)のいずれにも該当する可能性が低いとされています。トークンが有価証券には該当しないことを前提とすれば、現時点において、フランス法上、ICO又はトークンに適用される規制は存在しません。AMFの現在の姿勢は、ICO又はトークンが規制されるか否かにつき、個々の事例ごとの分析に基づき決定するというものです。

AMFは、コンサルテーション・ペーパーにおいて、ICO規制のための4つの異なる法的枠組みを提案しており、各案に対する意見を求めています。

o 1つ目の案は、「ハードロー」(法的拘束力を有する規制及び指令)については現状を維持しつつ、AMFが制定する適正慣行(Good Practice)を「ソフトロー」(任意に適用されるものとしてAMFが行う推奨等)として適用するというものです。

o 2つ目の案は、目論見書に関する欧州規則を改正する(新たにICO用の規則を追加する)ことにより、ICOを規制するというものです。

o 3つ目の案は、以下の2つのアプローチを提案しています。
     • フランスの投資家に対して実施される全てのICOにつき、事前の承認を義務付ける新たな法的枠組みに基づく規制。
     • ICOの実施者が、AMFによる承認を求めるか否かを選択することができる(そのうえで承認されたものか否かを開示させる)選択制の承認制度を導入する新たな法的枠組みに基づく規制。

コンサルテーション手続は2017年12月22日まで実施されます。その後、寄せられた意見を分析した上で、ICOに関する規制が導入されることとなります。

本コメンタリーは、世界的に増加するICOに関し、日本企業にとっても有用な情報ですので、紹介します。詳細は、Jones Day Commentary "French Regulators Launch Public Consultation for Initial Coin Offerings" (オリジナル(英語)版)をご参照下さい。

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タイトル掲載雑誌発行日
ジョーンズ・デイ・コメンタリー:フランス当局によるイニシャル・コイン・オファリングに関するパブリック・コンサルテーション手続の開始ジョーンズ・デイ・コメンタリー2017年12月

担当弁護士

オブカウンセル :伊奈 弘員

アソシエイト :吉田 勇輝