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2017年4月

ジョーンズ・デイ・コメンタリー:シンガポール、デラウェア州及びニューヨーク州の裁判所が国際倒産共助に関するガイドラインを採択

シンガポール最高裁判所及び米国デラウェア州倒産裁判所が2017年2月1日に、次いで米国ニューヨーク州南部倒産裁判所が同年2月17日に、国際倒産に関する裁判所間の連絡及び協力に関するガイドライン(以下「国際倒産共助ガイドライン」)を採択しました。国際倒産共助ガイドラインは、国際倒産手続において、異なる国の裁判所間の協力を円滑にすることを目的として、2016年10月にシンガポールで開催された倒産裁判官ネットワークの会合に参加した英米法圏各国の裁判官により編集されたものです。

これまでも、立法府が主導して国際倒産に関する法制を整備する動きはありましたが、国際倒産共助ガイドラインは複数の国の司法府が協力して成立したルールとして注目されます。あくまで裁判所による手続に関する自主規則という位置付けであるため、既存の倒産法制を変更するものではありませんが、異なる国の裁判所間の連携が従前は必ずしも機能的でなく、連絡の方法についてすら決まりごとがなかったことに鑑みると、国際倒産共助ガイドラインによる共通のルールの導入は非常に画期的なことです。今後は、英国やオーストラリアなど他の英米法圏の国でも、裁判所により国際倒産共助ガイドラインが採択されることが見込まれ、これらの国々の複数にまたがる国際倒産手続がより迅速に行われることが期待されます。
 
また、国際倒産共助ガイドラインの編集がシンガポールで行われ、同国の裁判所が最初に同ガイドラインを採択したという事実も着目すべき点です。先行するアラート"シンガポールにおける国際的なデット・リストラクチャリングを促進する新たな企業倒産法制の制定"で紹介した通り、シンガポールは国際倒産手続のハブとも言うべき中心的な地位を獲得するべく積極的に法整備を進めており、国際倒産共助ガイドラインの編集及び採択はかかる動向と密接に関連しているものと見ることができます。

上記は、新たな国際倒産共助の動向として、国際倒産に関与する可能性のある日本企業にとって参考になると考えられ、紹介する次第です。詳細は、Jones Day Commentary "Singapore, Delaware, and New York Courts Adopt Cross-Border Insolvency Cooperation Guidelines"(オリジナル(英語)版)をご参照下さい。

タイトル掲載雑誌発行日
ジョーンズ・デイ・コメンタリー:シンガポール、デラウェア州及びニューヨーク州の裁判所が国際倒産共助に関するガイドラインを採択ジョーンズ・デイ・コメンタリー2017年4月

担当弁護士

パートナー :森 雄一郎

アソシエイト :大平 勇介