HOME著書・論文訴訟/紛争解決ジョーンズ・デイ・コメンタリー:少額紛争に関する仲裁手続を簡易化する新たなICC仲裁規則の公表

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2016年12月

ジョーンズ・デイ・コメンタリー:少額紛争に関する仲裁手続を簡易化する新たなICC仲裁規則の公表

ICC(国際商業会議所)国際仲裁裁判所は、2016年12月8日、ICC仲裁規則の重要な改正について公表しました。この改正は、ICCにおける仲裁手続の透明性と効率性を改善すること、及び係争額が200万米ドルを超えない仲裁手続の簡易化を目的としています。

改正ICC仲裁規則の下で定められた係争額が200万米ドルを超えない仲裁手続を対象とする簡易仲裁手続の要点は、以下のとおりです。なお、係争額が200万米ドルを超える場合であっても、当事者の明示的な合意によりこの手続を利用することが可能です。

• 仲裁人は1名しか選任されない(仲裁合意において3名の仲裁人を選任すると定めた場合であっても同様)
• 付託事項書(Terms of Reference)の作成が不要
• 一度仲裁人が選任されると、両当事者は明示の許可がない限り新たな請求を追加することができない
• 事件管理会議(Case Management Conference)は仲裁人の事件記録受領から15日以内に開催されなければならない
• 仲裁人の許可がない限り、当事者の書面提出(Written Submission)が制限される
• 仲裁人の許可がない限り、書類提出要求(Request for Document Production)は認められない
• 仲裁人の別途の決定がない限り、仲裁判断は書証のみによって下され、審理や証人尋問は行われない
• ICC国際仲裁裁判所によって延長されない限り、最終の仲裁判断は事件管理会議の日から6か月以内に下されなければならない
• 仲裁人の報酬は通常より2割低額である

簡易仲裁手続は2017年3月1日から施行される予定であり、同日以前の仲裁合意には簡易仲裁手続の適用はありませんが、同日以降に締結された仲裁合意は、当事者が明示的にこれを排除しない限り、全て自動的に簡易仲裁手続の適用対象となります。したがって、同日以降にICC仲裁規則を適用する仲裁合意をする場合、簡易仲裁手続の適用を排除するかどうかについて特に注意が必要となります。

本記事は、日本企業が利用することが比較的多いと思われるICCの仲裁手続に関する重要な改正であることから紹介する次第です。詳細は、Jones Day Commentary "The New ICC Expedited Procedure Rules: A New Experiment"(オリジナル(英語)版)をご参照ください。

タイトル掲載雑誌発行日
ジョーンズ・デイ・コメンタリー:少額紛争に関する仲裁手続を簡易化する新たなICC仲裁規則の公表ジョーンズ・デイ・コメンタリー2016年12月

担当弁護士

パートナー :棚澤 高志