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著書・論文 独占禁止法

2017年12月

ジョーンズ・デイ・コメンタリー:欧州一般裁判所、ソフトウェア市場における支配的地位の濫用に関する決定

欧州一般裁判所は、CAD(コンピュータ支援設計)製品のサプライヤーからPDM(製品データ管理)製品のサプライヤーへの当該CAD製品に関するインターフェース情報の提供拒絶が市場支配的地位の濫用に当たるとする主張を却下した欧州委員会の決定を支持する判決をしました(以下「本判決」)。

市場画定について、あるサプライヤーのCAD製品から別のサプライヤーのCAD製品に変更する際にかかるコストを理由に、「各サプライヤー独自」のCAD製品市場があるといえるかが争点となりました。本判決は、CAD製品市場の実情を考慮した結果、CAD製品の変更にかかるコストは市場画定に無関係であると判断し、各事業者が自動的に市場支配力を有することとなってしまうような狭い市場画定をすることに消極的な姿勢を示しました。

また、当該インターフェース情報の提供拒絶が違法か否かについて、本判決は当該インターフェース情報がCAD製品のアクセスに不可欠ではなく、他の方法によりアクセスすることもできることから「不可欠施設」の主張は該当せず、当該拒絶は違法ではないと判断しました。

以上のように、本判決は、ソフトウェア製品市場の支配的地位の濫用に関し、ソフトウェア製品市場の画定及び「不可欠施設」の考え方の適用にあたり、ソフトウェア市場の実情を考慮しており、今後の貴重な指針となると思われます。

本コメンタリーは、欧州で事業を行う日本企業等にとって有用な情報ですので紹介します。詳細は、Jones Day Commentary "European General Court Rules (again) on Mandatory Access and Interoperability in Software Industry"(オリジナル(英語)版)をご参照ください。

タイトル掲載雑誌発行日
ジョーンズ・デイ・コメンタリー:欧州一般裁判所、ソフトウェア市場における支配的地位の濫用に関する決定ジョーンズ・デイ・コメンタリー2017年12月

担当弁護士

パートナー :宮川 裕光

アソシエイト :橘川 裕樹