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著書・論文 独占禁止法

2017年7月

ジョーンズ・デイ・コメンタリー:ドイツ連邦カルテル庁、企業結合規制における問題解消措置に関する指針を公表

ドイツ連邦カルテル庁(Bundeskartellamt)は、企業結合規制における問題解消措置及びその実施の要件に関する指針(以下、「本指針」)を公表しました。本指針には、企業が申し出た問題解消措置を評価する際に連邦カルテル庁が用いる基準、問題解消措置の申出及び実施の手続き、並びに問題解消措置の実施に重要な役割を果たすトラスティ(trustees)の任務が明記されています。

問題解消措置は構造的措置と行動的措置に分類され、企業結合の当事者側から申し出がなされることになります。連邦カルテル庁は、競争法上の懸念を完全に解消するものでなければならないという観点から、とりわけup-front buyer divestituresを用いた構造的措置(企業結合の当事者は、競争当局が当該企業結合について承認するまでに、構造的措置にかかる分割事業に関して、適切な買手との間に法的拘束力ある売買契約を締結する措置)が競争法上の懸念を解消する最適な措置であると考えています。さらに、連邦カルテル庁は、上記法的拘束力ある売買契約を締結するだけでなく、当該企業結合のクロージングまでに、その売買を完了することまで求めています。他方、行動的措置は、連邦カルテル庁又は第三者が企業結合当事者の行動的措置の状況を永続的に監視する必要がない場合に限り、是認し得るとしています。

企業結合の当事者は、連邦カルテル庁に協力する義務があり、当事者側から問題解消措置を申し出なければなりませんが、この申出は一般的に審査手続のどの段階においても可能です。しかしながら、ドイツにおける企業結合は、詳細審査(Phase II)を経て初めて問題解消措置の実施を前提とし、承認を受けることができます。当事者からの問題解消措置の申出によって、Phase IIの法定審査期間3ヶ月間は自動的に1ヶ月間延長されますが、当事者は審査期間の延長を合意することができます。何れの問題解消措置も、公表され、マーケットテストを受けることになります。

本指針の公表により、ドイツにおいて企業結合に関与する企業は、企業結合による反競争的効果を解消し、企業結合のクリアランスを得るためには、自らが申し出る問題解消措置がどの要件を満たさなければならないかをより適切に評価することができるようになります。

本コメンタリーは、ドイツで企業買収を行う日本企業等にとって有用な情報ですので紹介します。詳細は、Jones Day Commentary "German Federal Cartel Office (Bundeskartellamt) Publishes Merger Remedies Guidance"(オリジナル(英語)版)をご参照ください。
なお、2017年5月30日付で、連邦カルテル庁の本指針が公開されています(英語及びドイツ語)。

タイトル掲載雑誌発行日
ジョーンズ・デイ・コメンタリー:ドイツ連邦カルテル庁、企業結合規制における問題解消措置に関する指針を公表ジョーンズ・デイ・コメンタリー2017年7月

担当弁護士

パートナー :松田 暖

オブカウンセル :渡邉 新矢

アソシエイト :橘川 裕樹