JONES DAY Alert
March 2018
JONES DAY
ALERT
AIとヘルスケア―米国における事業活動において考慮すべき重要なレギュレーション

人工知能(AI)には、「学習、理論付け、コミュニケーション及び人間的な判断ができる機械を開発するための高度なコンピューターサイエンスの使用」という広範な定義が与えられています。ヘルスケア産業におけるAIの利用は、ステークホルダーがコスト削減、品質向上及びヘルスケアへのアクセス向上を求め続けていることにともない、劇的に増加しています。経営管理に関するものでは、AIは、病院内における手続きのスケジュール管理、ワークフォースギャップの特定及び対応、高リスク患者の特定、保険承認その他の償還手続きのアシスト等、業務を合理化することにより、病院の運営を改善させています。

診療現場では、AIは、診断及び治療を補助するため、医師及びその他の医療提供者に利用されています。例えば、外科手術におけるロボットシステムの利用により、医師はより正確かつ精密な治療が可能となります。診療記録及び画像を迅速に検索することが可能なAIテクノロジーは、予備的な診断や個人に合わせた治療計画の策定に役立ちます。さらに、病状確認手段、個々人に対応した医薬品のリマインダー、及びバーチャルな医療提供者へのアクセスを提供するアプリケーションにより、患者は、自宅で、自身の健康を管理し、また、医師の診察を受けることできます。

診療現場におけるAIの使用が増加し、発展することにともない、特に、AIに対応できていない伝統的なレギュレーション上の原則に関する関心が増加しており、また、かかる原則のAIへのユニークな適用により、法的な又はレギュレーション上のリスクが増加してます。とりわけ、AI企業は、例えば、臨床情報の収集、診断・治療の提案等、伝統的に人間が行ってきた活動を補助するためにAIを使用する場合は、慎重になる必要があります。米国では、これらの行為は、連邦法及び州法の両方によって厳格に規制されており、法律及び規則の複雑な、ときには混乱した規制が課されています。さらに、新たなテクノロジーに対応した適切な法、原則及びガイダンスの策定がテクノロジーの発展よりも遅れることにより、規制内容がより複雑なものとなり、不明瞭で、善意の企業であっても遵守困難なギャップが生じることがあります。

このため、AI企業は、米国において事業活動を拡大させる場合は、とりわけ、以下の事項を考慮すべきです。

医療行為を規制する法律
医療行為は、州レベルで規制されています。AI企業は、免許、医療行為(遠隔医療を含む)、報酬の分配及びその他の事項に関する州ごとの要求が、AI製品の運用及び活用にどのような影響を与えるかを検討する必要があります。

データプライバシー及びデータ所有権
AIにとりデータにアクセスできることは極めて重要なことです。しかし、ヘルスケアデータは厳格に保護されており、また、診療記録は、通常、医療提供者が所有しています。AI企業は、患者情報及びデータ所有権を保護する連邦及び州法を遵守しながらこれら不可欠な情報を活用する方法を検討する必要があります。

FDA
食品医薬品局(FDA)は、米国において、医療機器について規制する権限を有しています。デジタルヘルス製品を開発するAI企業は、最近のレギュレーションの変化がいかなる影響を与えるかという点、及び、FDAが監督活動を強化するため医療機器産業に深く関与しようとしている点を認識する必要があります。

製造物責任、専門家責任及び医療過誤
誰が医療行為を行うことができるかについて法律は規律をしていますが、医療行為におけるAIの活用の増加について明示的に規律をしている法律はほとんど存在しません。このギャップが、製造物責任と専門家責任に関連する極めて不明瞭な事態を発生させます。例えば、ロボットやAIプロセスを用いた手術中に生じた悪い結果に誰が責任を負うのかといった点が問題になります。このような不明瞭な事態が生じることを前提とすると、AI企業は、新技術の開発、製造、顧客トレーニング及び販売にあたり、このリスクを考慮する必要があります。





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2018年5月15~16日

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